戸建でも一軒家でも必要!合法的に民泊をはじめるなら旅館業法の許可取得を

トピックス

2022/09/19

民泊ってなんか難しそうって皆様、こんにちは。

 

民泊/旅館業専門の不動産会社リスタートジャパンの佐々木です。

 

コロナによってブームが去ったかに見えた民泊ですが、

 

実はしぶとく生き残っていることは前回お伝えした通りです。

 

民泊物件は減っているか | 民泊/旅館業専門の不動産会社 リスタートジャパン (rj100.co.jp)

 

さて、そんな民泊を始めるにはどのようにしたら良いかを、

 

以下にまとめましたので、しばしお付き合いくださいませ。

 

 

民泊_homestay_bandb_minpaku_asia

 

 

 

 

民泊/旅館業を始めたくなったら

 

旅館業の種類

 

一戸建て住宅を活用して民泊をはじめる場合、旅館業法の許可を取得して営業を行う方法があります。

「民泊なのに旅館業法?」と思われるかもしれませんが、旅館業法は民泊をはじめる上で理解しておきたい重要な法令です。旅館業法の内容について、簡単にご説明しましょう。

 

まずは旅館業法で定められている、旅館業の種類について。

 

【1:旅館・ホテル営業】

旅館・ホテル営業は、「施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう」と定義されています。旅館・ホテル営業は定められている条件が細かく、その内容は床面積・窓・カギ・換気・トイレの数など、さまざまなものがあります。

  

【2:簡易宿所営業】

簡易宿所営業は、「宿泊する場所を大人数で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のものをいう」と定義されています。簡易宿所営業は、ホテルや旅館のように部屋を貸すのではなく、寝るためのスペースを貸すという意味合いが強い形態となっています。

カプセルホテルなどがこちらに該当します。また、民泊の場合もこの営業形態に属します。

 

【3:下宿営業】

下宿営業は、「施設を設け、1カ月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」と定義されています。

学生さんの下宿などにあるように、特殊なビジネスです。民泊とはさほど関係性はないので、知っておくだけで十分です。

 

 

 

旅館業の許可取得に必要な条件は

 

旅館業法では「宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」という文言が、全ての営業形態に含まれています。つまり民泊であっても、旅館業法の許可取得を行うことにより、長期的にビジネスをはじめられるのです。

 

では、一例として簡易宿所営業の許可に必要な条件をご説明します。

 

【1:旅館業簡易宿所営業の構造設備基準】

<客室数>

規制なし

 

<客室床面積>

延床面積33㎡以上(宿泊者数を10人未満とする場合には、3.3㎡に当該宿泊者の数を乗じて得た面積以上)

 

<玄関帳場(フロント)の設置>

規制なし(国の法令上の規制はないが、条例で基準化しているケースあり)

 

<入浴設備>

当該施設に近接して公衆浴場がある等、入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の入浴設備を有すること

 

<換気等>

適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること

 

<その他>

都道府県(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市又は特別区)が条例で定める構造設備の基準に適合すること

 

自治体によっては上記条件に加え、フロントの設置を義務付けている場合もありますので、確認が必要です。

 

 

【2:都市計画に基づく用途地域】

都市環境を整備するために、同地域内に住宅地・商業地・工業地などが混在しないようになっています。

この都市環境整備の基準となっているのが、都市計画法です。都市計画法では用途地域が定められており、その用途地域に応じた街づくりが行われています。

 

また用途地域は12種類に分かれており、「第1種住居地域(3,000㎡以上の施設はNG)」「第2種住居地域」「準住居地域」「近隣商業」「商業」「準工業」のいずれかに該当する場合にのみ、簡易宿所営業の許可を得ることができるようになっています。

建物の所在地によっては営業許可が下りませんので、事前に確認しておきましょう。

 

 

【3:建築基準法に基づく用途変更】

100㎡以上のマンションやオフィス等を民泊施設として利用する場合は、建築基準法に基づき用途変更の届け出が必要です。建築基準法では、用途変更に関して次のように定められています。

 

「既存建築物の用途を変更して、100㎡を超える建築法第6条1項第1号の特殊建築物とする場合は、用途変更の確認申請及び工事完了の届け出が必要」

 

そのため該当する建物を民泊へ改装する場合は、必ず届け出を行いましょう。

 

 

【4:消防法】

民泊を運営する場合、宿泊者や近隣住民の安全を守るためにも、消防法に基づき安全対策を講じる必要があります。

 

具体的には、

・消防用設備の設置

・出火防止

・避難

・通報

などの防火に対する安全対策です。

 

詳しい情報は、消防庁のリーフレットからも確認が可能です。

https://www.fdma.go.jp/mission/prevention/suisin/post20.html

 

 

【5:賃貸契約・管理規約】

簡易宿所営業の許可を得る際には、下記の2つのパターンが考えられます。

 

・自分自身が所有する建物で民泊事業を行う

・他者が所有する建物の一部を借り、民泊事業を行う。

 

いずれにせよ、簡易宿所営業の許可を得ることは可能です。しかし「他者が所有する建物の一部を借り、民泊事業を行う場合」は、建物の所有者や管理会社に対して、きちんと許可を得る必要があります。賃貸借契約を確認し、転貸が禁止となっていないか、民泊事業を行うことはできるのかを確認しましょう。

 

上記では一例として、簡易宿所を取り上げましたが、戸建で民泊をする場合には、「旅館・ホテル営業」が適しているケースも多いです。その場合には基準が異なりますので、その都度ご確認されることをお勧めします。

 

 

 

旅館業許可取得の流れ

 

1:自治体への事前相談】

旅館業許可取得に際し、多くの自治体では事前相談を受け付けています。旅館業法担当窓口などが受付窓口となっており、所在地・建築基準への適合・賃貸借契約などに問題がないかを確認されます。

 

【2:申請】

許可申請を行う際に必要なものは、

・許可申請書

・民泊施設の図面

・その他、自治体が定めている必要書類

・手数料

となります。

自治体により提出書類が異なるので、事前相談時に確認しておきましょう。

 

【3:民泊施設の検査】

許可申請を行ったあとに、保健所の職員らによる民泊施設の立ち入り検査が行われます。この際に検査される項目は、

・民泊施設が構造設備基準を満たしているか

・各自治体が設けている基準を満たしているか

・建築基準法に適合した建物であるか

です。こちらも許可申請を行う前に、きちんと確認しておく必要があります。

 

【4:許可】

「2:申請」の時点で提出した各種書類と、「3:民泊施設の検査」の立ち入り検査による結果を総合的に判断し、許可の可否が決定されます。

無事に許可がおりれば、旅館業許可を取得した民泊として営業を開始することができます。

「2:申請」から許可までの期間は、おおよそ数週間です。しかし民泊施設の周辺に教育機関がある場合は、さらに保健所が意見を照合する可能性があります。こちらに該当すると、最終的な許可取得までさらに時間を要します。

 

【5:民泊事業を開始】

簡易宿所営業許可を取得して民泊事業を行う以上、

・寝具の交換

・浴室清掃

・宿泊者名簿の管理

などが求められます。

 

自治体ごとに衛生管理に関する基準が設けられているので、そちらをもとに適切な衛生管理を行います。

 

また宿泊者名簿も、以下のように管理する義務があります。

・日本に住所を有する場合は、氏名・住所などの基本的な事項を管理

・日本に住所を有しない場合は、パスポートのコピーを管理

 

 

 

違反した場合の罰則

 

旅館業法における罰則は、以下のように定められています。

・第10条:許可を受けないで旅館業を経営した者は、6ヶ月以下の懲役又は100万円以下の罰金

20173月の改正以前は、罰金は3万円となっていました。しかし違法な民泊事業を撲滅するために、罰則を重くすることが閣議決定されました。

この法改正により、無許可営業を行った者へは

・都道府県知事等による報告徴収

・立ち入り検査

などの措置を講ずることも盛り込まれています。

 

 

 

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